2017年11月5日(日)
〇プログラム:宗教公園「五色園」コンクリ仏像の修復体験
〇案内人:浅野祥雲作品再生プロジェクト 大竹敏之さん
紅葉がはじまってきた木々が美しい、自然豊かな『五色園』にて、開催されました。
案内人の大竹敏之さんです。
今回修復作業をする仏像を作った浅野祥雲氏を研究する、日本でただ一人の方。
大好きな浅野祥雲の作品がぼろぼろに朽ちて行くのを見るに見かね、
なんとかしなければと、2009年から修復作業のボランティア活動をされています。
フリーライターとして、ご著書も多数!
(写真右下が、今回修復する仏像について書かれたもの)
受付を済ませると、バッジをいただけました。
(普段は寄付2口で1ついただけるそうです。
寄付は、ボランティア参加者の炊き出しなどに使われ、
大竹さんご自身は、手弁当にてこの活動を続けていらっしゃいます)
初めに、浅野祥雲さんやその作品についての簡単な説明を。
祥雲さんは、中津川に生まれ名古屋に移り住んでから
鉄筋コンクリート彫刻という独自の仏像を多数(50年で600体あまりも!)制作。
五色園には、そのうち100体ほどがあり、
後は、犬山の桃太郎神社や関ヶ原ウオーランドにあるものが有名。
お話の後は、いよいよ修復ボランティア体験です。
前日に、古い塗装をはがして下塗りをするところまでは済ませて下さってあり、
この日の参加者は、ペンキを塗るオイシイところを体験させていただける、ということだそう。
他の常連ボランティアさんに混じって作業させていただく形です。
この修復作業はなんと!祥雲さんの実のお孫さんが営む塗装店が監修されています。
こちらは、ひ孫さんと玄孫にあたるその息子さんです。
塗り方のコツをうかがってから、それぞれ作業を体験しました。
子どもは、一色塗りなら、失敗の心配もなくお手伝いOK(^^)
大きな像は、しっかりと足場を組んで。
参加者の皆さんに、参加の動機をうかがうと、
「久しぶりに五色園に来た時に、この像を見ても怖がらなかった子どもに、
行ってみる?と言ったら、行きたい!と言ったから」
「ラジオで大竹さんのことを知り、ネットで調べてこの活動を知った」
「大竹さんのファン!本もたくさん持っている!」
などなどだそうです。
大竹さんファンのお2人。
「初めて参加しましたが、とっても楽しいです♪」とのことでした(^^)
1時間ほどペンキを塗る作業をした後は、大竹さんによる園内ツアーです。
これを楽しみにいらっしゃった方も。実は、筆者の私もです(^^)
出発~!
お天気もよく、広々と自然豊かな園内を歩くのは、とっても気持ちよかったです。
最初は、日吉丸(豊臣秀吉の幼名)のエピソードを表した像たち。
五色園にある仏像群は、他のものはすべて、親鸞聖人の生涯や教えにまつわるエピソードを伝えるものですが、
これらだけは、親鸞とは全く関係のないもの。
それは、なぜか・・・!その謎を見事に解き明かして下さいました。
また、それらの像たちの中に、一体なんとも滑稽な格好をしているものがあり、
それを見て祥雲さんの表現力に疑いを持つ人もいるが、そうではなく、
実は、元々その像が持っていた物が今はなくなってしまったので、変な格好に見えるとのこと。
祥雲さんの作品について、徹底的に調べあげている大竹さんならではの、深い知識に、感心!です。
お次は「夜盗耳四郎聞法の場」。3つの場面で完結するストーリーとなっています。
1、親鸞の法話に聞き耳を立てる夜盗耳四郎。
2、法話を聴いて改心した耳四郎(左)。
3、改心した耳四郎を恨み、仲間が寝こみを襲うも、耳四郎の姿が仏に見え、切れない。
山の高低差を利用した、ダイナミックな構図の作品。
さらに登って行くと、
森の奥、山のてっぺんに、六角形の建物=六角堂が!
大竹さんが特別にカギを開けて下さり、御開帳~!
中には。。。
何とも美しいお顔の観音様がいらっしゃいました。
祥雲さんはヘタとか邪道とか言う人もいて、そういうイメージが強いが、
この美しい顔の観音様を見れば、そういうイメージも払しょくされるのではないか?
と大竹さんはおっしゃり、ここでも、祥雲さんの作品に対する愛がうかがえました。
鉄筋コンクリート彫刻の仏像は邪道だと言われるが、
奈良時代までの仏像は、木の枠に粘土をのせて作られていたのだから、
時代により素材が変わっただけで、工法は伝統に習っている。
また、仏像を派手に塗装することも、実は本来の形で、
東大寺の大仏様だって元は、金ぴかに髪の毛は群青色だったんですよ、
とのことです。
また、この五色園の歴史についてもお話し下さいました。
昔は「生涯で一度は行ってみたい観光地」はお伊勢さんだった。
時代が進み、昭和初期頃に、お手軽に聖地参りができるように作られた
インスタント聖地ともいえる、五色園のような「宗教テーマパーク」が
いくつか作られた(他には例えば、東海市の聚楽園など)。
それが当時トレンディーな観光地となった。かつて五色園には温泉もあった。
などなど。。。興味深いお話しばかりでした!
最後は「身代わりの名号」の像。
こちらの像たちは、今まで見てきた他のものと違いボロボロでした。
まだ修復が終わっていないものだそうで、修復作業をしないで放置すれば、
このようになって、いずれは朽ち果ててしまう、という見本のようでした。
ツアーの最後に、大竹さんは以下のようにおっしゃいました。
マニア向け、とか、心霊スポットなどのイメージが強い五色園の宗教像たちだが、
実はこんなにもすごいものである。
自分の身の回りにある、そんな、ちょっと頑張れば残していける
すばらしい物たちに気づいほしい。
そうして、そういったものに関わっていけば、
それがより良い街づくりにつながっていくのではないか?
そうですね!日進の大切な宝物の一つ、みんなで残していきたいですね。
祥雲さんのご実家の日比野から日進まで、当時はおそらく牛車でコンクリートを運び、
100体以上の仏像を作り上げることができたのは、彼の並々ならぬ信仰心の賜物!
そんな仏像がたくさんある五色園、
日進市のパワースポットと言っても、過言ではないかも?!
「是非この修復ボランティアに参加したい!」
「大竹さんの活動に興味がある!」と言う方は、是非、
大竹さんのホームページ「浅野祥雲.com」を是非ご覧になってくださいね。
この記事を書いた人
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まちミル博覧会 取材ボランティアスタッフ です。
私自身も、まちミル博覧会のパートナーで、【2019年度】も以下のプログラムを開催します。
#39 大地の色で染める~べんがら染めワークショップ
#70 大地の色を粧う~クレイファンデーションワークショップ
#85 親子で楽しむ♪1日だけの森のようちえん・森のがっこう