【2018開催レポ】76.浅野祥雲作品再生プロジェクト

2018年10月7日(日)、8日(月)

場所:五色園

※当初、10/6,10/7の予定でしたが、台風の影響で、日程の変更となりました

 

 

皆さんは、日進市の五色園を訪れたことがありますか?

 

私は、

幼いころと、

その次は、短大時代、

そして、今回が3回目の訪問でした。

 

その昔、「旅行」という概念が、今とは全く異なり、

旅に出る、というのは、「お伊勢参り」など、特別なこととして行われていた、

そんな時代、ほんの150年ほど、前のことです。

 

時を経て、昭和の初期に、

宗教家の森 夢幻さんにより

創立されたのが、こちらの五色園です。

 

当時は、

温泉あり、

ブドウ狩りあり、

動物園ありの一大テーマパークだったそうです。

それで、なるほど、この広さなんですね。

 

 

お友達との参加者、

親子での参加者さんなど、ぞくぞくを集まっていらっしゃいました。

 

まず、最初に、今回の主催者である大竹敏之さんから、

簡単なご挨拶がありました。

 

 

修復の現場に向かう途中には、こんなにたくさんのペンキ道具

 

なんと、今回の参加者さんの中には、妊婦さんも!

お話を聞いて、二度びっくり!

 

なんと、この方は、五色園他に、たくさんのコンクリ―ト塑像をお作りになった

浅野祥雲さんの曾孫さんだったのです!

そして、お腹の中には、玄孫さんも♪

びっくりを横において、まずは、修復現場へ・・・

笠の裏まで、丁寧に塗り直しをされています。

崖のふちに設置された像では、

こんな風に、寝そべって、足元まで丁寧に作業をされていました。

足元の危うい塑像は、大人の担当。

お子さまたちは、足元のしっかりした別の塑像の修復を手伝っているとのことで、

そちらへ移動。

ちょっと探検の雰囲気

到着した先では、

数組の親子の方が、すでに修復に取り掛かっていらっしゃいました。

みて、この真剣な表情

間違えないように、慎重に・・・

お顔の修復は、普段からお化粧をしなれている女性の方が向いているそうで、

今回も、女性が丁寧にお顔の修復に取り組んでいました。

眉は、人形の表情を決める大切なパーツ、とのことで、

笑顔ながら、目つきは真剣

楽に塗れるパーツは、お子さまだけで、一生懸命、作業してます。

大竹さんは、優しい語り口ながら、

物事の本質を、ズバッと切り取って、

皆さんの心に、波紋を投げかけていました。

 

 

 

重要な場面に、駆けつける僧

ものすごくリアリティのある姿勢ですよね。

傍らでは、お子さまが塑像に腰かけて、のんびりムード

難しい言葉でなく、目で見てわかりやすく仏教の教えを説く、

この場所で、

大人が斜めの視点で物事をとらえるのでなく、

子どものまっすぐな目線で、

親しみを感じてくれている、

そんな風に、大竹さんは感じていらっしゃたのかもしれません。

 

ご参加の皆さんは、どんな風にお感じになったのでしょうか?

 

暑かった今年の夏、でも、季節は秋へと移り変わっていました

実は、大竹さんの活動は、

今回のまちミル博覧会のためだけに、

開催されたのではなかったのです。

 

2009年に、浅野祥雲のことを調べ始めた大竹さんは、

これらの素晴らしい塑像に出会ったそうです。

取材を進める中で

浅野祥雲の子孫の方と出会い、

子孫の方は、塗装業を営まれており、

一緒に修復活動を進めることとなったそうです。

 

10年にわたる息の長い活動をなさっている大竹さんは、

こちらの五色園の奥の院のカギをお持ちでした。

鍵を開けると、中には、おそらく創建当時の塑像が安置されていました。

御堂の中で、風雨から守られていた塑像は、

どっしりとして、風格がありました。

 

大竹さんは、おっしゃっていました。

お子さまや初心者の方の参加は、大歓迎です。

いつか時が経ち、

今回の修復が解け、

次の修復が必要になった時、

今回、参加してくれたお子様が、

ふと思い出して、

もう一度参加してくれる、

そんな取り組みをしています。

 

 

昨今、誰でも手軽にインターネットにアクセスできるようになり、

様々な情報が、気軽に、手早く入手できるようになりました。

そこに、表現されていることは、

はたして、本当のこと、ばかりなのでしょうか?

 

そんな視点で、一度、自分の周りを見渡してみてください。

 

幼いころは、ただただ、怖かった。

二度目は、「なんだか不思議な像がたくさんある公園だな~」

今回は、心がほんわり暖かくなる、そんな訪問となりました。

 

大竹敏之さんのご著書はこちら