【2022年開催】 No9. ”演奏会の日”って何するの⁉

【開催日 2022年10月2日】

【場所 日進市民会館小ホール】

【案内人 田ノ原 豊織さん】

 

演奏会の日、私たち聴衆が目にするのは、舞台に立った演奏家の姿。

客席で耳を澄ませ、演奏家の奏でる音楽に浸れる最高のひととき…

 

けれど、その演奏家たちが音楽を届けてくれる舞台、

誰が、どのように準備してくれているのでしょうか。

 

そんな演奏会の日の裏方スタッフの体験をさせてくださったのが、

今回の案内人、田ノ原豊織(たのはら とし)さんです。

 

田ノ原さんは、

音楽にまつわる仕事を実際に体感することで、

「あなたの人生の中に”音楽”にまつわるストーリーを残しませんか?」

との想いで、このプログラムを考えられました。

 

まずは、何と、舞台作りから!

パーテーションを組み立てて、「舞台裏」を作るところから始めます。

 

小学生のお子さんも、ちゃんと作業に参加しています!

 

傍らでは、調律師の塩崎さんが、入念に調律をおこなっています。

ピアノの鍵盤、このように外れるなんて知っていました?

この部分だけで、30㎏もあるそうです。

 

 

塩崎さんは、

この子(このピアノのことです)が一番きれいに歌うように整音しています」と、

このピアノをとても愛おしそうに扱われていたのが印象的でした。

 

ちなみに、「整音」というのは音作りの作業のことです。

最初は「ピャンピャン!」という音だったのが、塩崎さんが「整音」されると、

「ポーーーン♡」というきれいな音に変わっていきます。

塩崎さんが目指される音は、「24時間弾いていても疲れない音」だとか。

「耳は疲れなくても身体が…」、なんて思ってしまう私は邪道ですね(^^;)

 

また、「ピアノを弾く人は楽器が持ち込めないから可哀そう」、とも。

そうですね、ピアニストはそこにあるピアノを弾くしかないので、

調律師さんの役割は非常に大きいですよね。

 

そうこうしている間に、パーテーションも上手く設置でき、

「舞台裏」が出来上がりました

 

次に、客席での「聴こえ方」のチェックです。

皆さん、ボーっと立っているわけではありませんよ。

客席の「真ん中」「左」「右」と、どのように「聴こえ方」が違うのか、

実際演奏してもらって、違いを確認します。

 

 

 

次に、客席づくりです。

椅子を並べていきます。

縦、横、が真っすぐになっているか、のラインチェック。

椅子に汚れがついていないか。

汚れや、シミが付いている椅子は交換します。

 

この男性、何をしてらっしゃるのか分かりますか?

実は、コロナ対策です。

そうです、消毒なのです。

椅子の金属部分を、念入りに一脚ずつ拭いていくのです!

 

 

そして、お楽しみの時間がやってきました!

そうです! ピアノの調律体験です!!

塩崎さんが、わざと音を少し低くして、

それをチューニングハンマーを使って上げていく、という作業です。

 

これって、どういうことかイメージできますか?

 

『羊と鋼の森』という小説がありましたが、

これは羊の毛のハンマーで、

鋼の弦を叩いて音を出すピアノを表しています。

 

一つの鍵盤を弾くと、

ハンマーが3本の弦(中高音域)を同時に叩くのですが、

3本がぴったり合った状態にしなければ、

響きにうねりが生じてしまいます。

 

私たち参加者は、「真ん中のド」の鍵盤を左手で叩きながら、

チューニングハンマーを少しずつずらして微調整していくわけです。

 

これはもう、目をつぶって、全神経を耳に集中させないとどうにもなりません。

「あ!ピッタリ合った!!」と思って、自信満々に塩崎さんの方を見ると、

にこやかに「80点ですね♡」とか言われてしまって、がっかり…

 

けれど、この写真の女性は、「98点です!」と満点に近い点数をもらっていました。

 

また、同じグループの男性で、

「マイ・チューニングハンマー」を持参されてる方がいらっしゃって、

それには驚きました。

ご自宅でピアノの調律に使われているそうです…。すごいですね。

 

 

さて、次は、演奏会の会場に欠かせないもの。

受付です。

受付でもらうプログラムや、チラシ、

実はセットするのに順番があるのを知っていますか?

 

先ず、アンケート

次に主催者のPRチラシ

その次に、出演者のPRチラシ

最後に後援者のチラシ、だそうです。

 

今度コンサートに行かれて、入り口でチラシの束を手にされたら、

是非並び順を見てみてください。

 

受付の仕事は、それだけではありません。

受付がスムーズにできるかの、流れの確認、

 

そして、コロナ対策

検温、消毒はもちろんの事、万が一に備えて、名前と電話番号を記入してもらいます。

記入に使う鉛筆も、もちろん都度消毒。

 

 

そしてここまでが午前中の作業。

お昼休憩の後、14時開演のコンサートまで残り1時間!

 

ブログもまだ続きます。

お付き合いください。

 

 

さて、お昼休憩を挟んだあとに最初に行ったのが、

バミリ作業

奏者の譜面台や、椅子を「場所を見える化」する作業です。

そこに、ビニールテープを直角に貼って、

「ここに置いてくださーーい」という、印付けのようなものです。

 

業界では「バミる」と言うらしいです。

ちょっと使ってみたい言葉ですね。

 

もう、ここまで来たら演奏会始まるでしょ?、と思いますよね。

あと少しです。

 

続いては、奏者の方々が本日のスケジュール表を確認できるように、

「嫌でも目に入る場所」に、ベタベタとスケジュール表を貼っていきます

(控室にも貼りましたが、奏者の方に遠慮して、写真は撮っていません)

 

 

そして、

朝から2時間、

午後から1時間、

これだけの時間をかけて、ようやく開演です!

 

 

ソロ、連弾、全員でのアンサンブルを、贅沢に聴かせてもらい、

それまでの準備の疲れも吹っ飛びました。

 

最後の曲は、「カルメン」。

皆さんご存じですよね。

その「カルメン」、田ノ原さんご自身が編曲なさったものを聴かせてもらいました

 

とってもカッコいい編曲でした!

田ノ原さんご自身はクラリネット奏者でいらっしゃいますが、

編曲にも才能がおありなんですね!

 

 

演奏を聴き終わったら、普段はそのまま会場を後にしますが、

忘れてはいけません。

今日はスタッフです。

 

そうです、片付けもあるのです

パーテーションも解体です。

 

椅子も片づけ、

モップも掛け、

調律師の塩崎さんまでもが、

ちりとりとほうきを持って、掃除を手伝ってくださいました。

 

そして、本日一番頑張られたのが、田ノ原さんです。

お疲れのところ、にこやかに写真撮影に応じてくださいました。

田ノ原さんは、10月8日、9日開催の、「赤池まち灯り」プロジェクトで、

今度はクラリネット奏者として出演なさいます。

お時間がある方、是非聴きにいらしてくださいね。

 

また、田ノ原さんの活動を更に詳しく知りたい方は、

 

https://ta9076s6p.wixsite.com/nmcf

 

チェックしてみてくださいね。

 

 

 

さて、私はブログスタッフとして参加させていただきましたが、

とても貴重な体験をさせて頂きました。

これからは、聴衆として客席に座った時、

きっと毎回、今日の日を思い出すことと思います。

 

田ノ原さん、塩崎さん、奏者の皆さん、

そして、プログラムにご参加くださった皆さん、お疲れさまでした。

 

この記事を書いた人

清水 美峰
清水 美峰
日進市の独立系ファイナンシャルプランナー事務所、FP office Bellsの清水美峰です。
皆さん、日々の暮らしを存分に楽しむために、お金のモヤモヤは無くしたいですよね。私はそんな皆さんの為に、お金の問題を整理して考えるお手伝いをさせて頂いています。ぜひ、皆さんの生活の中にお役立て下さい。