【2021年開催】43.シュタイナー教育からの心と身体を育む人形作り

2021年10月12日、26日、11月9日、30日(全4回)

場所:ナゴヤハウジングセンター日進梅森会場 サーラ住宅

案内人:田中裕子さん、みずのゆうこさん

 

幼い頃、あなたがいつも握りしめていたもの、覚えていますか?

 

どなたにも、なにか記憶に残っているものがあるのではないでしょうか。

 

お子さんにとって、初めてのお友達になるかもしれない、

そんな人形を手作りしましょう、というのが今回の講座です。

全4回と長丁場ではありますが、

先生からしっかり、ゆっくり教わることができる、そんな素敵な講座です。

 

 

 

会場は、ナゴヤハウジングセンター日進梅森会場内のサーラ住宅のモデルハウスです。

 

  

 

シュタイナー教育では、

「肌に触れるものは、心に作用する」と考えています。

 

ですから、幼児期のお子さんが触れる人形をとても大切なものと捉えています。

 

 

また、子どもの年齢にふさわしいお人形がある、と考えられていて、

人形の頭の固さなどは、

遊ぶお子様の年齢に配慮して、作られているそうです。

 

今回の参加者さんは、

お孫さんにプレゼントしたい、というご夫婦です。

幼稚園から就学を迎えるお孫さんへのプレゼントということで、

まさに、その時期にピッタリのお人形なのだそうです。

 

先生が以前に作られたお人形に触れながら、そんなお話をお聞きしています。

 

手に持つものであると同時に、

ぎゅっと抱きしめたりする人形ですから、その素材には、きめ細やかな配慮がなされています。

 

特に、髪の毛として使用する毛糸は、

羊毛から紡がれたもので、

みずのさんや、田中さんがご自身で草木染で染められたものなのです。

 

玉ねぎ、栗などを染料にし銅で色止めをしてあるそうです。

 

 

肌色の布を選び、

髪の毛の色を決め、

お洋服の色を選びます。

 

次は裁断し、縫製の始まりです。

 

 

 

頭部の芯になる羊毛は、手紬だからこそ、ほんの少しのゴミが混ざっています。

それらを、

丁寧に丁寧に、

ゆっくりゆっくり取り除いていきます。

羊毛を少しずつちぎり、豆粒大に丸め、くるくるっと固めに丸めていきます。

この時、硬さが重要なのです。

お人形を使うであろうお子様の年齢に合わせた硬さに、

丁寧に丁寧に、丸めていきます。

 

 

丸めた羊毛に、布をかぶせたら、

頭部の出来上がりです。

今日の作業はここまでです。

 


第2回目は、洋服の部分を作ります。

 

布の中心と、人形の中心がずれないように、

何度も確認しながら、丁寧に作業を進めます。

 

 

一か所縫っては確認、

次に進めては確認。

 

参加者さんに、この講座への参加動機を伺いました。

「お父さんやお母さんは、毎日の子育てに一生懸命でしょ。

だから、祖父母である私たちが、父母ができないことをサポートできれば、と。

この人形をつくってプレゼントしたくて参加しました」

 

 


第3回目。

 

今日は、人形の手足になる部分を作ります。

 

丁寧に丁寧に、

ゆっくりゆっくり、

左右のバランスを見ながら、縫製を進めます。

 

   

 

シュタイナー教育では、「教科書」がありません。

先生から教わったことを、自分でノートにまとめたものが、自分の教科書になっていくのです。

 

みずのさんのノートにも、びっしりとメモやコツが書き留められていました。

 

 

 


いよいよ第4回目、最終回です。

 

髪の毛の部分を作っていきます。

ガバッと毛糸を縫い付けるのではなく、

ほんの少しずつ縫い付け、

それらが取れないように、繊細に縫い付けます。

お子さんが、髪の毛を結んだりして遊びやすいように、

髪の毛らしくあるように、

生え際の部分が、生え際らしくみえるよう、

細かく、細かく作業します。

 

 

 

 

最後に髪の毛を揃えて、出来上がりです。

 

シュタイナーのお人形は、

遊ぶお子さんが、その気持ちを想像できるように、

表情は創り込まれていないのです。

 

笑っているようにも、

泣いているようにもみえるように。

 

 

 

秋に始まった講座も、気が付けば冬になっていました。

 

お子さんの幼稚園選びで、シュタイナー教育に出合った田中さんは、

「親である私が、とても豊かな時間を過ごさせてもらいました。

たしかに、シュタイナー教育の場では、保護者も関わることが多いのですが、

その時間こそが何物にも代えがたい時間でした」とおっしゃっていました。

 

 

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