【2021開催】49.五色園 園内ツアー&お身ぬぐい体験

2021年10月3日 日曜日

五色園(日進市岩藤町一ノ挟間932-31)

案内人:大竹 敏之さん

 

日進市にお住いの方なら、きっと一度は訪れたことがあるはず

と思ったら、意外や未訪な場所なのが、五色園。

近くにあるといつでも行ける、と思ってしまいがち。

実は行きたいと思っていました~という方がお集まりくださいました。

 

近くは、自転車でお越しくださったご家族、遠くは、岐阜県からのご参加です。

 

 

 

 

 

最初に目につくのが、こちらの仏像たち。

 

五色園に林立する仏像は、親鸞聖人の教えにまつわる場面を、目で見て理解できるように再現したものなのです。

親鸞聖人が開いた浄土真宗の教えは、当時としては、画期的なもの。

 

それまでの仏教は、修行してこそ、と言われていたが、

なんと親鸞聖人は、「念仏を唱えるだけでいいんだよ」と説いたのでした。

 

もちろん、旧来の教えを守る方にとって、すんなり受け入れられるはずはなく、当初は、対立があったそうです。

その一場面が、この「信行両座」の場面。

 

 

早速、本日のメインイベントであるお身ぬぐい体験をスタート。

皆様は、お持ちくださった雑巾を取り出し、水を含ませ、お身ぬぐいを始めました。

 

 

参加されたお一人は、日進出身で、現在は近隣地域にお住いの女性。

 

「子どものころに遠足に来たときは、もっと色褪せていて、ちょっと怖い雰囲気でした」

 

そうなんです。

このように、ツヤツヤとペンキが塗られているのは、

案内人の大竹さんたちが、10年以上前からボランティアで仏像の修復をされているからこそなのです。

それ以前も、修復作業はなされていたそうですが、経年による劣化は仕方がないものです。

修復作業には、なんと、仏像の制作者である浅野祥雲師の子孫の方も関わっていらっしゃるとのこと。

孫に当たる方が、塗装業を営んでいらっしゃるので、修復作業にスムーズにご協力いただけているようです。

そんな活動が実現したのも、大竹さんが、熱心に浅野祥雲師の仏像の魅力を広めてこられたから。

 

浅野祥雲師は、明治24年 岐阜県の生まれ。

生涯で800体もの仏像を制作し、その多くは中部地方に存在してます。

 

 

 

親鸞聖人の教えを、心に感じると同時に思い出に残すには、

こんな風に、一緒に写真を撮るのがおすすめですよ、と教えてくださいました。

 

丁寧に、お身ぬぐいを終えたら、次の仏像を求めて、出発!

 

池のほとりには、池のほとりにふさわしい水辺のエピソードが、仏像で表現されています。

 

 

歩き進めると、御田植え場面。

この辺りは、湿地が保存されていて、貴重な植物も自生しているそうです。

仏像を守ることで、その周りにある自然までもが守られているという、素敵な好循環。

 

この五色園が創設された、昭和9年当時は、おそらく、もっと樹木が少なく、

見晴らしがよかったのではないかと、と大竹さん。

 

現在では、成長した樹木の陰に隠れてしまっている仏像も少なくないので、のんびり歩いていると見過ごしてしまいます。

 

秋の花があちらこちらに咲き誇り、身も心も解きほぐされます。

 

 

 

 

各場面で、こうやって自分も仏像に寄り添って写真を撮れば、あとから写真を見返したときに、

きっと思い出してくれますね!

 

今日のもうひとつのメインイベントが、この六角堂。

普段は施錠されているため、中を見ることはできませんが、

今回は、特別に拝観させていただけることになりました。

お堂の中では、浅野祥雲師の仏像が、「百夜祈願」の場面を表しています。

 

大竹さん曰く

「おそらく、浅野祥雲師の作品で、屋内に設置されている仏像は、ここだけだと思います。

つまり、制作当時のままの状態である可能性が高いのです」

 

浅野祥雲師が、コンクリートで仏像を作ろう、と思い立ったのは、その時代背景から考えてみるとよくわかると大竹さんはおっしゃいます。

 

1891年生まれの浅野祥雲師。

1923年に、関東大震災が起こりました。

この震災では、火事で多くの被害が出たそうです。

その翌年、1924年に岐阜県から名古屋市に移住し、

コンクリート仏像を制作し始めたのは、

おそらく、火災に対しての思いがあったからではないか、と大竹さんは分析しています。

 

当時、コンクリートは、最先端の素材でした。

 

伝統的な仏像の制作方法に則り、新しい素材を用いて、

後の世まで残るものを、と考えたのではないか、と言われています。

そして、コンクリートが風雨に耐えるためには、

塗料が必要で、そのために仏像にペンキを塗布したのでは、と大竹さんは理解しています。

 

「この仏像に、僕たちのような一般の人が関わることができるのは、

文化財に登録されていないからなのです。

登録されてしまうと、自由に地域の人が、自分たちの手で補修することが出来なくなってしまうのです」

 

本来、地域の人が祈りを捧げ、心の拠り所にしている仏像は、

地域の人たちの手で守られていくことこそが、大切なことではないのでしょうか?

と、大竹さんは、おっしゃっていました。

 

自分の周りで、

自分にできることを探してみてくださいね。

 

 

今回ご参加の方の中には、実は、熱心な浅野祥雲師のファンが何人もいらっしゃいました。

ご著書にサインをもらって、大満足の五色園ツアーでした。

 

 

大竹敏之さんは

Twitterで情報を発信されていますので、

ぜひチェックしてみてくださいね

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